bP70(2006.2.11)
「月極」を「つきぎめ」と読むわけ

 駐車場の看板に「月極駐車場」という文字を見かけることがある。
 その「月極」を「げっきょく」「げっこく」と読む人もいるようだが、これは「つきぎめ」と読む。
 「極」と言う字は今日では「きわめる」「きわみ」と読むのが一般的であり、それ以外の読み方はあまりない。
 それなのに「月極」と書いて、なぜ「つきぎめ」と読むのだろうか。
 じつは江戸時代から第二次大戦ごろまでは、「極」という字は「きわめる」「きわまる」のほか、「きめる」「きまる」とも読んでいた。
 式亭三馬の『浮世風呂』に「極まったものだ」「極めておきませう」という文章が出ており、「極」を「きまる」「きめる」と読んでいる。
 近代になっても「極」は「きまる」「きめる」と読んでいた。
 そこで「つきぎめ」を「月極」と書くようになったわけだ。
 今日では「極」は「きまる」「きめる」とは読まないので、「月極」を正しく読めない人がいるのも当然である。

 
 bP69(2006.2.11)
あくびをすると涙が出るのはなぜか

 悲しいと涙が出る。だが涙は泣かないときでも流れている。
 その量は1日で0.6ミリリットルとわずかではあるが、それによって目の乾燥を防ぐとともに、目に入ったほこりやゴミなどを流している。
 涙はあくびをしたときにも出る。
 悲しいときに涙が溢れ出すのは自律神経が働いて、涙腺に刺激を与えるためである、あくびのときの涙はそれとは別のメカニズムいよる。
 涙を分泌する涙腺はまぶたの上外側にあり、そこから流れ出た涙は眼球の表面を伝って、目頭に近い上下のまぶたの縁にある小さな袋(穴)に入る。
 そこで一時ためられ、細い管を通って鼻腔に排出される。
 あくびをすると涙が出たりするのは、あくびによって顔の筋肉が動き、涙腺を刺激し、涙の袋を圧迫するためである。
 刺激を受けることで涙腺から涙が流れ出し、更に圧迫されることで涙の袋の流れ口がせき止められ、その涙が外に出てしまい、あふれることになる。

 
 bP68(2006.1.26)
テレフォンはもともと電話にあらず

 電話のことを英語ではテレフォン(telephone)という。
 電話を発明したのはアメリカの科学者のベルで、1876年にその特許を取得している。
 ベルは自分の発明した電話にtelephoneという名前をつけた。
 ところでtelephoneという英語は、それ以前から存在していた。つまり、電話が登場する前からtelephoneという言葉はあった。
 したがって、telephoneはもともとは電話(電話機)という意味ではなかった。
 ではtelephoneは本来何を意味していたのか。
 1834年、フランスのスドレ−という科学者が電信機を作り、それにtelephoneと名づけた。これがtelephoneという言葉の起源である。
 このtelephoneという言葉はそのまま英語にも取り入れられ、英国ではまずtelephoneは船の警戒信号装置を指す言葉として用いられ、のちにはメガフォンのようなものもtelephoneと呼んだりした。
 そして電話が発明されると、telephoneはもっぱら電話を意味する言葉となった。

 
 bP67(2006.1.26)
目が疲れてくると充血するわけ

 小さい文字を長い時間見続けたりしていると、目が疲れるとともに、白目の部分が充血して真っ赤になる。
 その赤味の元は血液であり、目が充血するのは白目の部分にある毛細血管が太くなり、血液の量が増加するからである。
 では、どうしてそういうことが起こるのだろうか。
 白目にある毛細血管をつかさどっているのは、自律神経(交感神経・副交感神経)である。
 正常なときには、自律神経は毛細血管を収縮させる方向に動いている。つまり正常なときには毛細血管は細くなっている。だから白目は白く見える。
 ところが目を使い過ぎると、目は多くの酸素を消費し、二酸化炭素などの老廃物が増えてくる。
 酸素と二酸化炭素の運搬を受け持っているのは血液である。
 その運搬の能率をアップさせるべく、自律神経が血管を拡張させ、血液の流れを良くしようとする。
 このため毛細血管が太くなって赤く目立ち、白目が赤くなるというわけである。

 
 bP66(2006.1.10)
「じゃじゃ馬」の“じゃじゃ”とは?

 おてんば女性、扱いにくい女性のことを「じゃじゃ馬」という。
 もちろんそれは例えであって、じゃじゃ馬とは本来は人に慣れない暴れ馬のことだ。
 「じゃじゃ」を漢字で「邪々」と書くこともある。だが、それはいわゆる当て字である。
 その「じゃじゃ」だが、語源については二つの説がある。
 一つは「いやじゃ、いやじゃ」という言葉の「いや」を略したものだという説。
 もう一つは「じだだ」から出たという説である。
 「じだだ」は「じたたら」ともいい、足で踏んで風を送るフイゴのこと。
 口惜しがって地面を踏みつけることを「じだんだを踏む」という。昔は「じゃじゃ踏む」ともいった。
 その「じだんだ」は「じたたら」が変化したものである。
 いっぽう「じゃじゃ踏む」、そして「じゃじゃ馬」の「じゃじゃ」は「じだだ」が変化したものだという説がある。
 はたしてどちらの説が正しいか。あなたはどちらの説を支持されるだろうか。

 
 bP65(2006.1.10)
夢はモノクロか、フルカラーか

 天然色の夢をよく見るという人がいる。しかしそういう人は少数派で、大多数の人の夢は色がついていない場合が多いようだ。
 なぜ色つきではないのか。それについては二つの理由が考えられる。
 一つは、実際は色がついていたのに、それを思い出すときに忘れているということ。
 もう一つは、初めから色がついていないということ。
 この二つの理由の中では、後者の理由の方がたぶん正しいと思われる。
 夢は脳が記憶したものの再現である。その記憶したもの、すなわち目覚めているときに見たもの、たとえば本でも自動車でも何でもいいが、それがどんな色であったかについてはあまり覚えていないのが普通である。
 目にしたものが特に色彩において印象的であるといった以外は、そのものの色は強く記憶されない。
 記憶したものが色つきでなければ、夢は記憶したものの再現であるから、その夢には色はつかないということのなる。

 
 bP64(2005.12.25)
「ぽん引き」のぽん≠ニは何のこと?

 盛り場を歩いていると、見ず知らずのものが声をかけ、いかがわしい所に誘い込んだりする。そうした人のことを「ぽん引き」という。
 この言葉はすでに江戸時代からあり、歌舞伎の『善悪両面児手柏(ぜんあくりょうめんこのてがしわ)』に
「ぽん引きという者があって、親切らしく連れて行き、身ぐるみ剥いだそのうえに、女郎に売って金を取る、ふてぇ奴がいくらもある」というせりふが登場する。
 古くは、地方から出てきた女性をだまして金を奪ったり、かどわかしたりする者のことを「ぽん引き」と言った。
 その「ぽん引き」だが「ぽん」とは一体何のことなのか。
 それは一説にぼんやりした者を意味する「凡」からきているといわれる。
 ぼんやりした者(=凡)を誘惑するから「凡引き・ぼん引き」、それがなまって「ぽん引き」になったという。
 別の説もある。詐欺的な賭博犯のことを「盆引き」というそうである。それが変化して「ぽん引き」になっているとも言われている。

 
 bP63(2005.12.25)
夢を見る日と見ない日があるのはなぜ?

 夢を見る日とまったく見ない日がある。それは一体どういう理由からだろうか。
 その日の体のコンディションに関係があるのだろうか。
 睡眠にはレム睡眠と呼ばれる浅い眠りと、ノンレム睡眠と呼ばれる深い睡眠とがある。
 一晩の睡眠は、まず深い眠りのノンレム睡眠から始まる。その時間は90〜120分。
 次に浅い眠りのレム睡眠に入り、その時間が約20分。
 以降、ノンレムとレムを交互に繰り返し、普通はレム睡眠時に目が覚める。
 人間が夢を見るのはレム睡眠時で、レム睡眠中は誰でもほとんど確実に夢を見ている。
 ところが夢をまったく見ないという日がある。
 それは実際に夢を見ていないからではない。誰でも夢を見ている。
 ところがその夢をずっと覚えていることが出来ない。すぐに忘れてしまう。
 夢を見ない日があるのは、実際に見ていないからではなく、夢を見ているそのとき、あるいはその直後に目を覚まさないからである。

 
 bP62(2005.12.10)
「フリーマーケット」のフリー≠ニは?

 不要の品を公園などに持ち寄って売買したり、交換したりすることがよく行われている。これを「フリーマーケット」と言う。
 その「フリー」とはどういう意味かお分かりだろうか。
 フリーマーケットでは誰もが自由に品物を売ったり、交換したりすることができる。そこで「フリー」とは「自由」を意味するfreeのことだと思っている人がいる。それは誤解である。
 フリーマーケットを英語で書けばfleamarket。freeではなくfleaであり、そのfleaは「蚤」のこと。
 古物市のことを「蚤の市」という。その「蚤の市」という言葉はフランス語の「マルシェ・オー・ビュス」(marche aux puces=蚤の市という意味)からきている。
 フランスのパリで開かれていた古物市が、いつごろからか「蚤の市」と呼ばれるようになった。
その「蚤の市」を英語に訳したのが「フリーマーケット」であり、その「フリー」は「蚤」という意味である。

 
 bP61(2005.12.10)
匂いの記憶が長持ちするのはなぜ?

 人間の鼻は空気中に漂う匂いの分子をかぎとっている。
匂いの分子は40万種類もある。人間がかぎ分けることが出来る匂いは、そのうちの3,000から10,000種類である。
 見たり聞いたりしたことは、しばらく覚えている。では、匂いはどうだろうか。
 あなたは何かの匂いを今でも記憶しているだろうか。
 実は嗅覚は5感の中でもっとも長持ちする。すなわち匂いの記憶は長く残る。
 視覚情報の記憶と嗅覚情報の記憶について、ある心理学者が実験を行っている。
 それによれば人の顔の図を見せ、数分後に他の図とまぜて見せると、90%以上の人が最初の図を覚えていた。
 匂いのテストでは、70%の人しか最初の匂いを当てることが出来なかった。
 実験はその後もずっと続けられ、1ヶ月たつと視覚の記憶は急速に低下し、匂いの記憶は70%からほとんど低下しなかった。
 つまり匂いの記憶はなかなか消えにくいのである。それが嗅覚の大きな特徴のひとつである。

 
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